栄養科-チーム医療について
NST(栄養サポートチーム)
様々な疾患の治癒、回復のため、患者様それぞれに合わせた個別の栄養指導を行っております。医師の指示により予約制で行っております。栄養指導をご希望の方は、主治医にご相談ください。
栄養管理の流れ
入院時に、全患者さんに対してSGA(Subjective Global Assessment:主観的包括的評価)評価を行っております。
SGA評価で栄養不良と判断した場合、栄養管理計画を立てて経過を観察し、定期的に再度評価します。
活動の流れ
SGA評価の判定が栄養不良、血液性化学検査でアルブミン値3.0g/dl以下、主治医や病棟、褥瘡チーム、摂食嚥下チームからの依頼があった患者さんについてNST介入検討を実施。主治医の介入要請許可を得てチーム介入します。
週1回のカンファレンス・ラウンドを実施し、栄養のプランニング、主治医への提言等を行っております。
構成メンバー
医師・歯科医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・作業療法士・理学療法士・歯科衛生士
摂食嚥下リハビリテーション
様々な病因により、噛む・飲み込むといった食動作ができなくなった方を対象に、摂食嚥下リハビリテーションチームが介入しております。チームのメンバーは歯科医師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、管理栄養士で、毎週病棟回診を行っております。その中で、管理栄養士は喫食状況の把握と栄養アセスメント、食形態の選択、補助栄養食品の検討、退院時の栄養指導を行っております。
褥瘡対策チーム
毎週、病棟の褥瘡回診に医師・看護師・薬剤師らと共に管理栄養士も参加しております。
ベッドサイドで患者さんの状態を把握し、食事から病状の改善を促しております。また、NSTとも連携し、必要に応じてNST介入要請も行っております。
呼吸器リハビリテーションチーム
慢性気管支炎やタバコが主な原因である肺気腫(COPD:慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、肺炎などの病気になると、息苦しさを感じ、それに伴い動くことが困難になったり食欲が低下することで、痩せて筋力がなくなり、最後には寝たきり状態になってしまいます。そこで、病気に対する正しい知識を持つことによって症状をやわらげ、自分の体力に合った自立した生活を送るためのお手伝いをさせていただくのが呼吸器リハビリテーションです。当院では、呼吸器科医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士で週1回チームによるカンファレンスを実施し、リハビリ介入中の患者さんの情報交換を行っております。管理栄養士は、対象となる患者さんの栄養摂取状況や栄養状態の把握や、食事相談や栄養指導を行っております。
肝臓病教室
慢性肝炎・肝硬変・肝がんの3つのテーマで、その病態から実際の治療内容、食生活や生活の注意点などを中心に、年3回の教室を開催しております。
管理栄養士は、毎回のテーマに沿って食事についての講義を担当し、その後に行われる患者さんとの懇親会では、患者さんと医療者、患者さん同士の情報交換にも参加しております。また、患者さんの知りたいことのアンケートでは、食事療法については、毎回上位に上がり、治療や薬剤と同じくらいに食事への関心が高くなっております。それぞれの専門分野の力を出し合い、またお互いに補いながらチームとして活動を続けております。
心臓リハビリテーション
心臓リハビリテーションとは、「医学的な評価、運動処方、冠危険因子の更生、教育及びカウンセリングからなる長期的で包括的なプログラムである。このプログラムは、個々の患者の心疾患に基づく身体的・精神的影響をできるだけ軽減し、突然死や再梗塞のリスクを構成し、症状を調整し、動脈硬化の過程を抑制あるいは逆転させ、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的とする。(日本心臓リハビリテーション学会編 心臓リハビリテーション必携より)とされております。
栄養科では、このうち高血圧、糖尿病、脂質異常症といった冠危険因子の更生と二次予防となる食事療法を行うため、心臓リハビリテーション対象患者さんへ栄養指導を行っております。
毎週、医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーによるカンファレンスを行い、入院及び外来での心臓リハビリテーション介入中の患者さんの情報交換や共有を行っております。
クローン病チーム
クローン病は、口腔内、小腸、大腸など消化管のいたるところに慢性的な炎症をきたす疾患です。多くの患者さんには繰り返す下痢や腹痛が認められ、食欲不振、発熱、貧血などの全身症状もみられます。治療は、栄養療法、薬物療法、外科治療がありますが、特に栄養療法の役割は重要となります。一般的には低脂肪・低残渣の食事が勧められます。当院では患者さんの療養生活の手助けのために年2回、クローン病教室を新潟医歯学総合病院と共催しています。主治医、看護師、薬剤師、管理栄養士で連携してクローン病教室の内容を検討しています。主な内容は、新しい治療法や薬剤の勉強会や、低脂肪・低残渣食の調理実習などです。管理栄養士は調理実習の献立を考えています。また、入院中や外来での食事相談も行っています。