病理診断科
病理に関係した認定資格
(1) 病理学会認定施設 (2)細胞学会認定施設 (3)細胞学会教育研修施設
仕事内容
病理診断科の仕事は大きく分けて、以下の通りです。
(1)病理診断
病理医が生検や手術で摘出した臓器の悪性度診断や病名決定などを行います。診断まで、生検、手術摘出検体ではそれぞれ、最短で3-4日間、約1週間くらいかかります。
▼診断までのプロセス
手術で摘出した検体を病理医が肉眼観察
↓
適切な部位から標本を選択
↓
技師が標本作成
↓
染色標本を病理医が顕微鏡でみて病名、進行度などを診断
(2)迅速診断
手術中に提出された検体について技師が作成し、病理医が良性か悪性か、または癌などが十分とりきれたかなどの決定をします。検体が出てから15~30分程度で行うため、迅速診断と言います。
(3)細胞診断
肺癌や子宮頸癌などの診断では、それぞれ痰や子宮の擦過検体から得られる細胞について、細胞を染めて悪性かどうか診断します。
※ 最近では乳癌の診断にも細胞検査が用いられています。細胞検査士があらかじめ、チェックし悪性が疑われるものを拾い上げ、病理医師(細胞診断専門医)が最終診断します。提出から診断まで、約2-3日を要します。
※ 胃癌などの手術では、癌が腹腔に散らばっていないかを手術中に調べることもあります(迅速細胞診断)。
(4)病理解剖
治療の甲斐なく、不幸にしてお亡くなりになられた方の解剖を行い、病名の確認や、癌などであれば転移などの状況の確認、治療効果などについて検討いたします。
(5)種々統計
悪性腫瘍などの統計には、病理の診断データベースも活用されています。
(6)検討会
A.臨床病理検討会(年10回開催)
病理解剖の診断が出ると、臨床担当医や他の医師と共に臨床病理検討会が開催され、全体で問題点を検討します。
※最終診断まで、症例に応じて、1ヶ月から3ヶ月程度。
B.消化器検討会(月1回開催)
病理、消化器内科・外科、放射線科、研修医、また開業医の先生方が加わって、興味深い消化器疾患症例について、じっくりと画像と病理の対比を行っています。
C.乳腺術前・術後検討会(毎週開催)
乳腺に異常がみつかると、細胞検査が行われます。手術前には、この診断結果と放射線科でのマンモグラフイー(MMG)や超音波検査(US)の診断結果をつき合わせて誤診のないように検討します。
また手術後の病理診断結果を提示し、術前の診断について再検討します。これにより、更なる診断の向上を目指しています。
D.肝生検検討会(不定期開催)
肝生検の診断後、臨床担当医や他の医師と共に検討会を開催し、全体で問題点を検討します。
近年の業績
論文・著書
平成28年
-
Hayakawa M, Nishikura K (corresponding author), Ajioka Y, Aoyagi Y and Terai S. Re-evaluation of phenotypic expression in Differentiated-type Early Adenocarcinomas of the Stomach. Pathol Int. (doi:10.1111/pin.12506)
平成27年
なし平成26年
- Kobayashi M, Hashimoto S, Nishikura K, et al. Assessment of gastric phenotypes using magnifying narrow-band imaging for differentiation of gastric carcinoas from adenomas.Gastroenterol Res Pract. 2014(Doi1:0.1155/2014/274301)
- 西倉 健、味岡洋一.H.pylori 感染・除菌と組織像.臨床医のための胃がん病理アトラス(安井弥 他監修.メディカルレビュー社、東京).1(1):8-11,2014
- 西倉 健、味岡洋一.胃癌と背景粘膜.臨床医のための胃がん病理アトラス(安井弥 他監修.メディカルレビュー社、東京).1(1):12-16,2014
平成25年
- Domori K, Nishikura K (corresponding author), Ajioka Y, Aoyagi Y.
Mucin phenotype expression of gastric neuroendocrine neoplasms: analysis of histopathology and carcinogenesis. Gastric Cancer
2013 (In Press) (DOI 10.1007/s10120-013-0281-7) - Kobayashi M, Hashimoto S, Nishikura K, Mizuno K, Takeuchi M, Sato Y, Ajioka Y, Aoyagi Y.
Magnifying narrow-band imaging of surface maturation in early differentiated-type gastric cancers after Helicobacter pylori eradication. J Gastroenterol. 48 (12): 1332-1342, 2013 - Ikarashi S, Nishikura K (corresponding author), Ajioka Y, Aoyagi Y. Re-evaluation of phenotypic expression in undifferentiated-type early gastric adenocarcinomas using mucin core protein and CDX2.Gastric Cancer 2013 (In Press) (doi:10.1007/s10120-012-0172-3)
西倉 健、味岡洋一. H.pylori 感染・除菌と組織像. 胃がんperspective. 6:30-33, 2013
平成24年
- 西倉 健. 内分泌微小胞巣. 胃と腸. 47:839-840, 2012
- Nozawa Y, Nishikura K (correspondingauthor), Ajioka Y, Aoyagi Y: Relationship between alpha- methylacyl-coenzyme A racemase expression and mucin phenotype in gastric cancer. Hum Pathol 43; 878-887, 2012
- Annenkov A, Nishikura K(corresponding author), Domori K, Ajioka Y. Alpha-methylacyl-coenzyme A racemase expression in neuroendocrine neoplasms of the stomach. Virchows Arch. 461:169-175, 2012
学会・研究会発表など
平成28年
2016年度早期胃癌研究会4月度例会 画像診断教育レクチャー 臨床医が知っておくべき病理「【小腸・大腸】神経内分泌腫瘍Neuroendocriineneoplasmas」 | 招待講演 西倉 健 |
地方支援「初心者細胞検査士養成ワークショップ」in新潟 初心者細胞検査士養成ワークショップin新潟 乳腺・甲状腺・泌尿器・体腔液細胞診 | 口演発表 遠藤浩之 |
第33回新潟県臨床細胞学会学術集会 恥骨上部に発生した類上皮肉腫の一例 | 口演発表 花野佑輔 |
大阪府立成人病センター第1回細胞診セミナー 乳腺穿刺吸引細胞診報告様式における「ここまでは」「ここからは」の報告ポイント | 口演発表 遠藤浩之 |
第30回関東臨床細胞学会学術集会 一般演題セッションB2 P-13~15 | 座長 遠藤浩之 |
第5回北日本医学検査学会 当院における乳癌HER2FISH法の有用性と運用状況について | 口演発表 遠藤浩之 |
第55回日本臨床細胞学会秋期大会 乳腺腺筋上皮腫4例における組織像と細胞所見の比較検討 | 示説発表 遠藤浩之 |
平成28年度細胞検査士教育セミナー 乳腺・唾液腺・リンパ節細胞診の見方・考え方 | 口演発表 遠藤浩之 |
平成27年
平成27年度細胞検査士教育セミナー 乳腺・唾液腺・リンパ節細胞診の見方・考え方 | 口演発表 遠藤浩之 |
第54回日本臨床細胞学会秋期大会 細胞検査士会要望教育シンポジウム 細胞診の「ここまで」「ここからは」のポイント 乳腺穿刺吸引細胞診報告様式における「ここまでは」「ここからは」の報告ポイント | 口演発表 遠藤浩之 |
第70回細胞検査士教育セミナー 第8回セルフアセスメントスライド | 口演発表 遠藤浩之 |
第32回新潟県臨床細胞学会学術集会 一般口演「乳腺腺筋上皮腫における組織像と細胞所見の比較検討」他3題 | 座長 西倉 健 |
第32回新潟県臨床細胞学会学術集会 乳腺腺筋上皮腫における組織像と細胞所見の比較検討 | 口演発表 遠藤浩之 |
第37回病理技術研修会 ヘマトキシリンの検討≪各施設のヘマトキシリン作製、染色性について≫ | 口演発表 遠藤浩之 |
第56回日本臨床細胞学会総会 わからん会 示説1~5 | 座長 遠藤浩之 |
第56回日本臨床細胞学会総会 細胞検査士会 ヤングcommitteeワークショップ 乳腺穿刺吸引細胞診におけるLBC法の応用と利点についての検討 | 口演発表 花野佑輔 |
平成26年
第112回新潟病理医会 早期胃癌の内視鏡と病理 | 特別講演 西倉 健 |
第195回新潟内視鏡同好会 内視鏡医に必要な病理の知識 | ミニレクチャー 西倉 健 |
第78回日本病理学会東北支部学術集会 血球減少と脾腫瘤を来した一例 | 口演発表 西倉 健 |
第3・4回細胞検査士会ワークショップ 乳腺・消化器の画像と細胞像「乳腺腫瘍の画像と細胞診」 | 講演 遠藤浩之 |
第39回新潟拡大内視鏡研究会 胃病変の1例 | 口演 小澤俊文、西倉 健 |
第103回日本病理学会(広島)示説(大腸腫瘍) | 座長 西倉 健 |
第26回新潟西地区内視鏡懇話会 内視鏡医のための病理学〜胃癌〜 | 招待講演 西倉 健 |
平成25年
第52回日本臨床細胞学会秋期大会 細胞診の基礎コース 乳腺・甲状腺・その他(泌尿器・リンパ節) 細胞診のポイント | 講演 遠藤浩之 |
第52回日本臨床細胞学会秋期大会 当院における乳腺穿刺吸引細胞診検体不適正症例の現状と問題点 | 示説発表 遠藤浩之 |
細胞検査士養成ワークショップ 乳腺・甲状腺・その他(泌尿器・リンパ節) 細胞診のポイント | 講演 遠藤浩之 |
第30回日本臨床細胞学会新潟支部学術集会 当院における乳腺穿刺吸引細胞診検体不適正症例の現状と問題点 | 口演発表 遠藤浩之 |
第102回日本病理学会「大腸癌の診断」消化管NETのWHO分類の妥当性 | 座長 西倉 健 |
第54回日本臨床細胞学会総会 細胞検査士会要望教育シンポジウム 細胞構築からひもとく細胞診 推定組織像はどこまで迫れるか -おさえておきたい悪性病変との鑑別ポイント- | 座長 石原法子,遠藤浩之 |
第54回日本臨床細胞学会総会 一般演題 示説 卵巣・卵管その他4 P-2-041~045 | 座長 遠藤浩之 |
平成24年
第31回新潟拡大内視鏡研究会 | コメンテーター 西倉 健 |
第97回岐阜県消化器疾患研究会 早期胃癌の拡大内視鏡観察と病理学的所見 | 招待口演 西倉 健 |
第29回日本臨床細胞学会新潟支部学術集会 子宮頚部細胞診ベセスダシステム導入後におけるASC症例の検討 | 口演発表 花野佑輔 |
第53回日本臨床細胞学会総会 非浸潤性乳管癌における細胞診成績と細胞学的検討 | 示説発表 遠藤浩之 |
第53回日本臨床細胞学会総会 実臨床で問題となる乳腺疾患の画像と細胞診 症例検討 症例2 | ワークショップ 遠藤浩之 |
第51回日本臨床細胞学会秋期大会 乳腺DCISの特性に迫る -細胞診でどこまでわかるか?- 症例7・症例8 | シンポジウム 遠藤浩之 |
第51回日本臨床細胞学会秋期大会 子宮頚部細胞診ベセスダシステム導入後におけるASC症例の検討 | 示説発表 花野佑輔 |