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栄養科

栄養科

概要

栄養科では、入院患者の皆さまの病状に応じて適切な食事を提供し、疾病の治癒、あるいはその促進を図ることによって、患者さんの健康回復に貢献するため、医療の一環として病院給食を提供しております。
また、治療の効果をより高めるために、患者さんの食生活に必要な知識を提供し、患者さん自らが望ましい食生活に変えていこうとする行動変容を目的とした栄養指導を行っております。

食事について

栄養科では、入院患者の皆様の病状に合わせて、多食種の食事を、1食約350食提供しております。

一般食

常食、全粥食、五分粥食、流動食、果汁、嚥下困難食、ゼリー食、やわらか食、ハーフ食、産前食、産後食、離乳食、幼児食、学童食、アレルギー対応食、エネルギー調整食等

入院患者の皆様のライフステージや、摂食嚥下の状態に合わせ、上記のお食事をご用意しております。また、きざみ・とろみ・一口大に切る等、形態の変更にも対応しております。

治療食

糖尿病食、糖尿病性腎症食、腎炎食、腎不全食、透析食、動脈硬化食、妊娠高血圧食、肝臓病食、膵臓食、クローン病食、低残渣食、潰瘍食、胃切除後食、貧血食、小児腎症食、経管栄養食等

食事療法による治療が必要な方には、様々な疾患に合わせて、上記のお食事をご用意しております。
この他、食欲のない方には、病室訪問によりお話をお伺いし、少しでも口から食べていただくために、個人に対応した献立を作成し、対応させていただいております。

行事食

食事を通して四季の変化を感じていただけるよう、年に約20回、手作りカードを添えて、行事食を提供しております。

<七夕の昼食メニュー>
七夕そうめん、丸茄子の田楽、フルーツ

<七夕の夕食メニュー>
ちらし寿司、清まし汁、鮎の塩焼き、炊き合わせ、菊の二杯酢、七夕ゼリー

選択食

常食の患者さんを対象に、週に5回、朝と昼の食事をお選びいただけます。

<常食メニュー例>
ご飯、魚の野菜ソースかけ、かぶのうすくず煮、お浸し、果物

<選択食メニュー例>
ミートソーススパゲッティ、ミモザサラダ、果物

産後食

出産のお祝いの気持ちを込めて、盛付けも華やかに食事を提供しております。

<朝食メニュー例>
ピーナッツサンド、スクランブルエッグ、グリーンサラダ、果物、牛乳

<夕食メニュー例>
ご飯、スープ、手羽元カレー揚げ、鮭のハーブ焼き、野菜炒め、焼き茄子

やわらか食

咀嚼力の弱った高齢の患者さん向けの食事で、軟らかく調理し、食べやすい形態で提供しております。
「主食」…ごはんと全粥の中間の軟飯もお選びいただけます。
「主菜」…煮る・蒸すといった調理法を中心とし、ある程度水分があり、飲み込みやすい形態です。
「副菜」…切り方を工夫し、下ゆでをするなど食べやすい形態です。

化学療法食

化学療法により、吐き気が強い、口内炎が痛い、食事量が増えないなどの症状の患者さんが、食べやすいように工夫したメニューになっております。

特徴

  • 食器は、においが気にならないように、強化磁器を使用しております。
  • 主食は、ご飯・お粥・おにぎり・おじや・パン・冷麦などお好きなものをお選びいただけます。
  • 食べやすく、さっぱりした料理が中心で、食事の量はやや少なめになっております。
  • 嗜好にあわせて果物・デザート・飲み物・酢の物・冷奴・茶碗蒸しなどを追加できます。

<メニュー例>
冷麦、卵豆腐、お浸し、果物

<メニュー例>
細巻き寿司、清まし汁、お浸し、ゼリー

<メニュー例>
クレソンポタージュ、パンとクラッカー、サラダ、果物

<メニュー例>
フレンチトースト、コンソメスープ、サラダ、フルーツみつ豆

「調査」について

定期的に残食調査・温度調査・喫食調査・嗜好調査を行い、よりよい給食作りのため、つねに献立・調理作業の見直しを図っております。

栄養指導

様々な疾患の治癒・回復のため、患者の皆様それぞれの食生活に合わせた、個別の栄養指導を行っております。入院と外来どちらの場合も、医師の指示により、予約制で行っております。栄養指導をご希望の方は、主治医にご相談下さい。

予約受付日時:月曜~金曜(祝日を除く)9:00~16:30まで

個人栄養指導例

糖尿病、糖尿病性腎症、透析、慢性腎不全、腎炎、肝疾患、膵疾患、心疾患、脂質異常症、高血圧、肥満症、高尿酸血症、胃切除後、潰瘍性大腸炎、クローン病、妊産婦等

集団栄養指導例

入院糖尿病教室、外来糖尿病教室
詳しくはこちらをご覧下さい。

糖尿病栄養指導地域連携クリニカルパス

対象は、当院と連携している診療所に通院中の糖尿病の方です。診療所に通院しながら、糖尿病の栄養指導のみを当院で受けていただくシステムです。
詳しくはこちらをご覧下さい。

その他

栄養相談室前の掲示板には、毎月テーマを変えて、栄養科作成の食に関するポスターを掲示し、またテーマに沿ったレシピの配布を行っております。合わせて、フードモデルを使って、ショーケース展示もしております。
院外広報誌の「なでしこ通信」には、食に関する豆知識と共に、様々な疾患の治癒を目的としたレシピを毎月掲載しております。「なでしこ通信」は、院内各所、又は、当ホームページからダウンロードすることもできます。興味のある方は、ぜひ一度ご覧下さい。

【栄養相談室内の様子】

チーム医療

糖尿病

病棟カンファレンスの様子 当院では、毎月多職種による「入院糖尿病教室」と「外来糖尿病教室」を開催しております。そこで、定期的に糖尿病の治療に携わるメンバーで集まり、情報の交換と共有、問題提起と検討等を行っております。

糖尿病病棟カンファレンス

日時
毎週1回
参加者
医師、糖尿病認定看護師、病棟看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師
内容
入院中の糖尿病患者さんの情報交換と共有、入院中及び退院に向けた治療方針や療養指導の確認、退院後の継続的な支援について

糖尿病定例会

日時
毎月1回
参加者
医師、糖尿病認定看護師、病棟看護師、外来看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、歯科衛生士
内容
当院での糖尿病治療に関する様々な事柄について、意見交換や検討、糖尿病に関する最新情報の共有、学会やイベント等の開催案内

NST

「NST(Nutrution Support Team:栄養サポートチーム)とは?」
患者さんの栄養を支援するチームのことです。栄養状態が悪いと病気の回復を遅らせる原因になります。そこで患者さん一人一人の状態に応じて適切な栄養管理を行う必要があります。これを実施するため、多職種が協同して栄養サポートを実践するのがNST(栄養サポートチーム)です。

NST構成メンバー

医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・作業療法士・理学療法士・歯科衛生士・医事課の多職種で構成されております。

栄養サポートチーム加算

当院では2012年10月から栄養サポートチーム加算の算定を行っております。管理栄養士1名を専従とし、医師、専任の薬剤師、看護師を中心に活動しております。 栄養サポートチーム加算導入により、栄養不良の患者さんの栄養状態を改善し、早期退院に貢献できるよう取り組んでおります。

活動の流れ

全入院患者さんに対して、各病棟看護師が実施するSGA(Subjective Global Assessnent:主観的包括的栄養評価)の判定が栄養不良、血液生化学検査でアルブミン3.0g/dl以下、主治医や病棟、褥瘡チーム、摂食嚥下チームからの依頼などがあった患者さんについてNST介入検討を実施。主治医の介入要請許可を得てチーム介入します。
週1回のカンファレンス・ラウンドを実施し、栄養のプランニング、主治医への提言等を行っております。

カンファレンスの様子

ラウンドの様子

NST委員会

月1回開催され、NST活動活性化のために4つのチームで活動を行っております。
また、定期的に委員会内勉強会のほか院内全職員対象とした勉強会を開催しております。

褥瘡回診

毎週、病棟の褥瘡回診に医師・看護師・薬剤師らと共に管理栄養士も参加しております。ベットサイドで患者さんの状態を把握し、食事から病状の改善を促しております。また、NSTとも連携し、必要に応じてNST介入要請も行っております。

呼吸リハビリテーションチーム

「呼吸リハビリテーションとは?」
慢性気管支炎やタバコが主な原因である肺気腫(慢性閉塞性肺疾患:COPD)、気管支喘息、肺炎など呼吸器の病気になると、息苦しさを感じ、それに伴い動くのが困難になり、食欲が低下し、やせて筋力がなくなり、最後には寝たきり状態になってしまいます。そこで、病気に対する正しい知識を持つことによって、症状を和らげ、自分の体力にあった自立した生活を送るためのお手伝いをさせていただくのが、呼吸リハビリテーションです。当院では、呼吸器科医師・看護師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士が患者さんやご家族に対してチーム医療を行っております。

週1回、チームによるカンファレンスを実施。リハビリ介入中の患者さんの情報交換を行っております。
管理栄養士は摂取栄養量、栄養状態を把握し、患者さんの食事相談や投与栄養量についての相談を行っております。

肝臓病教室

チーム内の勉強会の様子 肝癌撲滅を目標として、医師1名、薬剤師1名、看護師7名、管理栄養士1名、臨床工学士1名、事務員1名で肝臓病教室の運営チームを立ち上げました。慢性肝炎・肝硬変・肝癌の3つのテーマで、その病態から実際の治療内容、食生活や生活の注意点などを中心に、年に3回(うち1回は院外でのセミナー)の教室を開催しております。
管理栄養士は、毎回のテーマに添って食事についての講義を担当し、その後に行われる患者さんとの懇親会では、患者さんと医療者、患者さん同士の情報交換にも参加しております。また、患者さんの知りたいことのアンケートでは、食事療法については、毎回上位にあがり、治療や薬剤と同じくらいに食事への関心が高くなっております。
それぞれの専門分野の力を出し合い、またお互いに補いながらチームとして活動を続けております。

肝臓病教室の様子

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションとは、「医学的な評価、運動処方、冠危険因子の更生、教育及びカウンセリングからなる長期的で包括的なプログラムである。このプログラムは、個々の患者の心疾患に基づく身体的・精神的影響をできるだけ軽減し、突然死や再梗塞のリスクを構成し、症状を調整し、動脈硬化の過程を抑制あるいは逆転させ、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的とする。」(日本心臓リハビリテーション学会編 心臓リハビリテーション必携より)とされております。

栄養科では、このうち高血圧、糖尿病、脂質異常症といった冠危険因子の更生と二次予防となる食事療法を行うため、心臓リハビリテーション対象患者さんへ栄養指導を行っております。
毎週、医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士によるカンファレンスを行い、入院及び外来での心臓リハビリテーション介入中の患者さんの情報交換や共有を行っております。
詳しくはこちらをご覧ください。

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