リハビリテーション科
リハビリテーション科の概要
当科では理学療法士14名と作業療法士8名が、入院・外来患者さんに対し充実した環境でリハビリテーションを実施しています。
整形外科を中心に神経内科・心臓血管外科・循環器科・内科・外科などさまざまな診療科の疾患を対象としています。これらの疾患により移動や生活上の動作、職業やスポーツに必要な動作に障害が生じることがあります。
障害により失われた機能の回復を促すとともに、潜在的な能力を最大限に引きだすことにより、患者さんの家庭復帰や社会復帰、あるいはスポーツ復帰を少しでも早く実現することが当科の目標です。
月曜から金曜までの午前8:45から17:00まで、B棟1階で急性期患者、A棟6階で回復期患者、A棟7階で心臓リハビリ患者の治療を実施しています。(リハビリテーションの実施には医師による診察・処方が必要となります。)
当院リハビリテーションの特色
1.整形疾患 特に関節疾患を多く治療しています。
リハビリテーションと関係が深い当院整形外科の特色は、関節外科に特化した治療を行っている点です。具体的には、傷が小さく回復も早い関節鏡手術と、除痛・歩行能力の獲得を目指した下肢人工関節手術を重点的に行っています。
なかでも肩関節に関しては、県内でも稀な肩専門医師が常勤しており、県内全域ときには県外からも反復性肩関節脱臼や腱板損傷や五十肩などの治療のために、多くの患者さんが来院しています。
そのため、リハビリテーション科の特色として、入院・外来ともに肩関節疾患の割合が他の病院よりも、かなり多いことが挙げられます。
また、半月板損傷、前十字靭帯損傷に対する関節鏡手術や、変形性膝関節症、変形性股関節症に対する人工関節手術も多数行っており、これらの手術前・後のリハビリテーションを当科で行っています。
野球・ラグビー・バスケット・柔道などのスポーツ障害のリハビリテーションも数多く行っています。
2.呼吸リハビリテーションは専門の資格者が呼吸の指導を行います。
当院の呼吸リハビリテーションは、呼吸療法認定士が呼吸器疾患で入院している患者さんの症状や特性に応じて、病棟での離床訓練や訓練室で機能回復訓練を実施しています。
患者さんの呼吸機能及び身体機能をできる限り回復させ、また維持することで少しでも早く地域社会に戻れるように支援していくことを目的としています。
対象となる主な疾患は肺炎(間質性肺炎、誤嚥性肺炎)、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性肺線維症などです。実際の訓練場面では、全身症状を確認しながら呼吸法の指導や歩行訓練、上下肢の筋力やストレッチ等を実施しています。
日常生活で息切れを軽減する動作などは写真等を用いたパンフレットを作成し、指導をしています。
定期開催する呼吸リハビリカンファレンスは、呼吸器内科医師、看護師、栄養士、MSW(医療ソーシャルワーカー)と情報の共有をおこない、患者さんのQOL(生活の質)の維持・向上を高めるため包括的な支援方法を検討して訓練内容に反映させています。
3.がんのリハビリテーションを提供しています。
がんのリハビリテーションは、がん患者の生活機能と生活の質(quality of life;QOL)の改善を目的とする医療ケアであり、がんとその治療による制限を受けた中で、患者に最大限の身体的、社会的、心理的、職業的活動を実現させることと定義されています。
当院では外科から各内科系まで幅広く、がんと診断されたときから治療中(手術、化学療法、放射線療法)、回復期から症状緩和が必要な時期までを主治医の依頼のもと、研修を修了したスタッフ(医師、認定看護師、理学療法士、作業療法士)のチームで患者さん各々に合ったリハビリテーションを提供しています。また、週一回のカンファレンスを実施しており、情報共有し各病棟とも連携を深めています。
4.心大血管リハビリテーションが可能な施設です。
08年度より、心大血管リハビリテーションを開始しました。最新機器も拡充し万全の体制で実施しています。開心術後の離床が早まり、循環器の機能改善に効果があります。
詳しくは心臓リハビリテーションの部門をご覧下さい。
5.回復期リハビリテーションも可能な施設です。
16年度より、回復期リハビリテーションを開始しました。
理学療法士、作業療法士とは?
理学療法士及び作業療法士法という法律で定められた、国家資格を有する職種です。
理学療法士と作業療法士は連携して1人の患者さんの治療にあたります。
そのため理学療法と作業療法で行うことには重複する部分も多々あります。
あえていうと、理学療法では運動療法を中心に関節の動く範囲や筋力、バランス能力など運動に必要な基礎的な部分を改善し、体を使いやすくします。
作業療法では日常生活動作・家事動作などの作業活動を通じ、より応用的で生活に即した体の使い方を改善していきます。
リハビリの実例
股関節に疾患(変形性股関節症など)がある患者さんを例にします。
股関節が腫れて痛みがあり、関節の動きも悪く、十分に力を出せず、歩行や生活上の動作がうまくできない状態になったとします。股関節の動きをよくしようと、無理矢理動かすと痛いだけです。また、力をつけようといきなり運動をしても痛いだけです。
検査・測定・評価
そこで、理学療法士・作業療法士は、 まず、関節や全身の状態の把握、動き方のくせや問題点、痛みの原因を調べます。
物理療法
それに基づいて、関節が楽に動きやすい状態を整えていきます。 腫れや痛みを抑えるために、電気をかけたり、温めたり、冷やしたりします。
徒手療法
筋肉が働きにくい状態や、関節が動きにくい状態を、専門的な手技を用いて改善していきます。
運動療法
関節や筋肉が動きやすい状態を整えた上で、関節の動く範囲を広げていく訓練をしたり、動作に必要な筋肉を強くするような運動を指導したり、一部の関節に無理がかからないように全身をバランスよく使える練習をします。
動作訓練
関節がうまく動くようになってきたら、実際の生活上の動作(歩行、立ち上がり、衣服の着脱、家事動作、職業やスポーツに必要な動作など)を練習していきます。
装具処方
その他に、サポーターや杖・車椅子などによる補助も考えます。
家屋改造、環境設定
手すりの設置や段差解消などの相談や、お手伝いもします。
このような過程を経て、障害をもつことになった患者さんが希望される生活を再獲得するまでの手助けをしていくのが、理学療法士、作業療法士の仕事です。
回復期リハビリテーション
回復期リハビリテーションとは
回復期リハビリテーションとは、急性期治療を終えて症状が安定した患者さんに対して行う集中的なリハビリのことです。医師・リハビリスタッフ・看護師・医療ソーシャルワーカーなどの多職種がご家族の協力のもと、その方にあった日常生活動作を練習し、在宅への復帰を目指していきます。
当院での回復期リハの強み
- チーム医療による手厚いサポート
医師・理学療法士・作業療法士・看護師・介護スタッフ・医療ソーシャルワーカー・薬剤師・管理栄養士など、様々なスタッフがひとつのチームを形成し、それぞれの専門性を活かし、患者さん一人一人にあったリハビリ計画を立ててサポートします。 - 退院後の生活を考慮したリハビリテーション
患者さんの生活環境をお伺いし、ご自宅の環境・生活リズムをふまえたリハビリケアを実施します。
また、担当ケアマネージャーとの退院前カンファレンスを実施し、スムーズに在宅生活ができるように一緒に考えていきます。 - 整形外科を中心とした幅広い専門リハビリテーション
整形外科を中心に、神経内科・循環器内科・呼吸器内科・外科など幅広い診療科の疾患を対象とし、リハビリを実施していきます。特に、整形部門では関節疾患に対する治療に重点を置き、各トップレベルの専門医と認定資格を取得しているリハビリスタッフが治療にあたります。 - 総合病院の中にある病棟
総合病院として幅広い診療科があるため、急な症状の変化に対しても対応が可能であり、安心して検査・治療を受けることができます。 - 切れ目のないリハビリテーション
急性期・回復期・外来リハビリにて、入院直後から退院後まで切れ目なくリハビリを行うことができます。 - 脳血管疾患・脊髄損傷・頭部外傷・くも膜下出血のシャント手術後・脳腫瘍・脳炎・急性脳症・脊髄炎・多発性神経炎・多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後若しくは手術後の状態又は義肢装着訓練を要する状態
- 大腿骨・骨盤・脊椎・股関節若しくは膝関節の骨折又は2肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態
- 外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態
- 大腿骨・骨盤・脊椎・股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態
- 股関節又は膝関節の置換術後の状態
- 急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態
対象となる疾患
入院から退院までの流れ
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回復期リハビリテーション病棟へ入院をご希望の方は
済生会新潟病院 医療福祉相談室 医療ソーシャルワーカーまでお問い合わせください。