チームOLS(骨粗鬆症リエゾンサービス)
再骨折予防の取り組み
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、「骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気」です。高齢者社会に伴い、多くの患者さんが治療を受ける必要があり、当院では、ここ2−3年で年間150から200人ほどの方が、大腿骨近位部(脚の付け根)を骨折されて、入院・手術を受けられています。
骨粗鬆症は、自覚症状がないため、骨折してから気づかれる方が多いです。1度骨折を起こすと骨折しやすくなり骨折が連鎖しやく、骨折を起こすたびに生活の質が低下し、寿命が短くなってしまう方が多いです。(右の写真)
しかし、適切に治療を受ければ骨折発生率は下がり、健康寿命を伸ばすことができます。
治療上の問題点として、薬物を中心とした治療の継続率が低いことがあり、1年で約半数が治療を中断してしまうとされています。
そこで、当院では、2016年より「回復期リハビリテーション病棟」が開設され、術後の患者さんが継続してリハビリを受けられることとなり、退院されてからかかりつけ医へ直接戻る方が増えたこともあり、骨粗鬆症の予防・改善および再骨折防止のための取り組みとして、2017年より「骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS:Osteoporosis Liaison Service)」を開始しました。
骨粗鬆症リエゾンサービスとは、「院内の様々な職種が連携しながら行う骨粗鬆症の予防と改善および骨折防止のための取り組み」であり、骨粗鬆症の啓発、治療開始率や治療継続率の向上、再骨折の予防と治療を、かかりつけ医とも連携して行うシステムです。
関わるスタッフは、医師、病棟・外来看護師・地域医療連携室の各看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカー、臨床放射線技師、介護福祉士、メディカルクラークなど、多くの職種です。
骨折治療後の薬物治療の確認は、定期的に外来看護師による電話での聞き取り調査、および外来受診(再骨折予防外来)を行い、治療の習慣づけを行うに必要な期間として、3年間継続していきます。無事に3年間継続できた方には修了証を発行しており、その後も継続される方が多くいらっしゃいます。
チームOLSへの評価として2018年に新潟県済生会より表彰(写真)を受け、また2021年には国際骨粗鬆症財団に申請し「銅賞」の認定を受けました。
今後もひきつづき、多職種で取り組み、皆様の生活の質を維持できるよう、進めていきます。お問合せは、整形外科外来までお願いいたします。