麻酔科
当院は、麻酔科認定病院です。
麻酔科認定病院は、日本麻酔科学会の審査を経て認定されるものです。「より安全で、より良い麻酔医療を安心して受けられる」という目安の一つです。麻酔を6年以上専門に勉強して試験に合格した麻酔科専門医が一人以上勤務し、数多くの科の手術が行なわれ、若手麻酔科医もしっかりした指導の下に麻酔業務を行なっている施設です。現在、5人の専門医(内3人が指導医)が勤務しています。
積極的に術後疼痛管理を行っています
術後の痛みをとることは、より早い快復につながります。当院では、肺や腹部臓器の手術、股関節や膝関節の人工関節の手術には、緊急手術も含め、条件が許す限り、積極的に、術後の疼痛管理を行なっています。その際には、患者調節鎮痛法を用い、痛みの程度に応じて、自分で痛み止めが追加投与できる装置を使っています。
麻酔科について
昨今では麻酔科がテレビドラマ等にも登場するようになり、ニュースで取り上げられる機会も増え、その知名度は増してきました。ですが、その実態についてはまだまだ知られていない部分が多いと思います。麻酔科医の仕事は何?と聞かれれば皆さん「麻酔」と答えるでしょう。でも、麻酔ってなに?具体的に何をするの?となると答えられる人はあまりいないのではないでしょうか。
手術患者さんが手術室のベッドに寝ていると何処からとらともなく現れ、あやしい薬を使って患者さんを眠らせ、手術が終わるとまたフラッと現れ患者さんの目を覚まして帰っていく。麻酔科医に対してこのような魔術師的なイメージを持っている人も少なくないようですが、当然ながら実際の麻酔科医師の業務とは大きく異なります。
では手術麻酔の実際をお知らせしましょう。
我々が行っているのは手術時及びその前後の全身管理です。つまり患者さんを手術による侵襲(侵害的刺激)から守りつつ、呼吸・循環・内分泌・代謝など全身状態を良好に保つこと、それが麻酔管理なのです。
そのためにまず、手術前に患者さんの状態を把握することから始めます。過去の診療記録(カルテ)や各種検査データを確認し、患者さんの診察を行い、必要ならさらなる検査を行って患者さんの全身状態、疾患の状況を把握します。
次に、予定される手術術式と患者さんの状態から最適の麻酔法・麻酔薬を選択し、手術中起こり得る状況への対策を立て、麻酔計画を立案します。
手術時には麻酔計画に沿って全身管理を行い、患者さんのそばで各種モニターを用いて患者さんの状態の把握に努め、手術の進行に伴い刻々変化する状況に合わせて全身の管理を行います。また予期せぬ異常事態に対応することも麻酔科医の重要な仕事です。
手術が終了した後は、呼吸・循環など身体の機能を再び患者さんご自身で行えるようにします。患者さんの状態に合わせて必要な補助を行う場合もあります。また必要に応じて手術後の痛みの管理も行います。
いかがでしょう。今まで持っていた麻酔科に対するイメージと大分違っていたかと思います。簡単に言うと、麻酔科医とは手術の間及びその前後、患者さんを護る事の専門家なのです。手術の際には麻酔科医がそばで患者さんの身を護っていることを思い出していただければ、心安らかに手術を受けていただける事でしょう。
また、手術麻酔管理から派生した麻酔科の業務として、集中治療、救急医療、ペインクリニックもあります。
関連リンク
▼日本麻酔科学会HPhttp://www.anesth.or.jp/public/anesthesia/index.html