代謝・内分泌内科
当院代謝・内分泌内科について
10月から代謝・内分泌内科外来の新患は紹介状をお持ちの方のみを診療させていただきます。
糖尿病は症状がほとんどなく、治療しないままに放置されてもご本人は困ることがありません。しかしその後に待っているのは、視力障害(日本における中途失明の原因の第1位が糖尿病)、腎不全(日本における人工透析の原因第1位が糖尿病)、下肢の壊疽、脳梗塞、心筋梗塞(当院で心臓血管バイパス術を施行される方の6割以上が糖尿病か耐糖能障害)など恐ろしい合併症です。一方、適切な治療を続けていけば、合併症と無縁の人生を送ることができたり、糖尿病体質自体が徐々に改善し薬物の減量なども可能です。
当科では、ただ単に血糖値を下げるだけの治療ではなく、ひとりひとりの方が糖尿病になった原因を体質の検査や生活習慣の調査から明らかにし、それぞれに合った治療法を選択しています。インスリン治療を積極的ない、インスリン感受性の改善と、内因性インスリン分泌能の回復をはかり、ごく弱い経口糖尿病薬治療や食事療法だけに戻すといったこともしばしば行っており、多数の方で成功しています。さらに、腎症をはじめ合併症に対しても、血糖コントロールに加え、血圧コントロール、特殊食の指導・実施、薬物治療などを積極的かつ根気強く行い、かつて進行の予防さえ難しいといわれた合併症の改善が得られるようになってきました。
このような指導と治療を、糖尿病専門医1名と試験に合格した12名の糖尿病療養指導士(専門のコメディカルスタッフ)が中心となるチームが行っています。
クリニカルパス
糖尿病性昏睡や糖尿病に合併した重症感染症、進行した糖尿病性腎症などの緊急例は別とし、糖尿病教育目的ではクリニカルパス入院を積極的に取り入れています。2週間入院を基本とし、集中した糖尿病教育、指導、診療が受けられます。また、働き盛りの男性や家族介護に当たられている女性などが入院できない場合は、外来クリニカルパス(月に計二回講習)を用意しており、毎月多数の患者さんが参加されております。
糖尿病教室のご案内
糖尿病は、適正な治療を続けることによって、様々な合併症(網膜症・腎症・神経障害・動脈硬化など)を予防することができます。そのためには、治療の主役の患者さんとその家族の皆さんに、糖尿病コントロールの知識と技術を身につけていただくことが重要となります。
当院では、患者さんの「自己管理」をサポートするため、糖尿病専門医師を中心に、主にCDE(糖尿病療養指導士)の資格を持った看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師など専門のスタッフが揃っており、チームを組んで患者さんの治療をサポート、つまり「チーム医療」を実践しています。
詳しくは、栄養科「糖尿病教室のご案内」をご覧ください。
主な診療内容
糖尿病・高脂血症・高尿酸血症などの代謝疾患と、甲状腺・副甲状腺・脳下垂体・副腎疾患などの内分泌疾患を幅広く診療しております。実際は圧倒的に糖尿病を中心に診療が行なわれていて、しかも眼科、腎臓内科、循環器内科、神経内科をはじめとする他科との連携、看護師、栄養士、薬剤師との協力体制が整ってきており、充実したサポートシステムとなっております。(当院は、社団法人日本糖尿病学会認定教育施設です。
代謝疾患
- 1型および2型糖尿病
- 高脂血症
- 高尿酸血症
- 低血糖
内分泌疾患
- 下垂体疾患
- ・汎下垂体機能低下症
・プロラクチノーマ
・先端巨大症
・クッシング病
・尿崩症 など - 甲状腺疾患
- ・バセドウ病
・橋本病
・亜急性甲状腺炎
・甲状腺腫瘍 など - 副甲状腺疾患
- ・副甲状腺機能亢進症 など
- 副腎疾患
- ・副腎不全症
・原発性アスドステロン症
・褐色細胞腫
・クッシング症候群
・副腎腫瘍 など