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クローン病セミナー

クローン病セミナー

クローン病(CD)は主として口から肛門までの全消化管に非連続性に潰瘍を生じる原因不明の炎症性疾患で、厚生労働省より特定疾患に指定されています。
10代から20代の若年層に発症することが多く、症状は腹痛・下痢・体重減少・肛門病変(痔瘻、裂肛)などが見られます。主な治療方法は薬物療法と栄養療法です。

セミナーの内容・目的

当院では平成26年よりクローン病セミナーを年に2回、対象となる若い患者さんやご家族が参加しやすいように春休み(3月)と夏休み(8月)に開催しています。最近の病気や治療に関する情報公開・調理実習などを行っており、情報交換の場として活用して頂ければ嬉しいです。
 患者さんの多くが20歳前後の若年層であり受験や就職など人生における大きなイベントと重なる時期でもあり病気との付き合い方を考えることが大切です。一人で病気の不安を抱えて悩むのではなく、ちょっとした工夫や周囲の理解で乗り越えていきましょう。
ホームページやフェイスブック、新潟日報等で開催内容についてご案内しておりますので、皆さんのご参加をお待ちしております。

構成スタッフ

医師・看護師・薬剤師・栄養士

開催日時・場所

開催日時:年2回(3月と8月頃を予定)
開催場所:済生会新潟病院、新潟大学医歯学総合病院、クロスパル新潟(調理実習時)

過去の開催内容

  • 【第10回】
    1.クローン病の最近の話題について
    新潟済生会病院 消化器内科 本間照先生
    2.患者交流会(低脂肪・低残渣食のレシピ紹介と試食)
    日時:令和元年7月11日
  • 【第9回】
    1.クローン病の新しい治療薬、治験薬について
    新潟大学医歯学総合病院 消化器内科 横山純二先生
    2.エレンタールレシピの紹介とクローン病用保存食の試食会
    日時:平成31年3月31日
  • 【第8回】
    1.食事について
    済生会新潟第二病院 栄養士
    2.調理実習、試食会(患者間の情報交換含む)
    日時:平成30年9月2日
  • 【第7回】
    1.クローン病の治療薬剤について
    済生会新潟第二病院副院長 消化器内科部長 本間照先生
    2.調理実習、試食会(患者間の情報交換含む)
    日時:平成30年4月1日
  • 【第6回】
    1.制度の届け出について
    済生会新潟第二病院副院長 消化器内科部長 本間照先生
    2.調理実習、試食会(患者間の情報交換含む)
    日時:平成29年8月27日
  • 【第5回】
    1.難病に対する医療費助成の法改定について、注意することがら
    新潟大学医歯学総合病院 消化器内科 横山純二先生
    2.小グループに分かれての情報交換会
    日時:平成28年12月11日
  • 【第4回】
    1.クローン病について
    済生会新潟第二病院副院長 消化器内科医師 本間照先生
    2.小グループに分かれての情報交換会
    日時:平成28年8月28日

薬物療法

クローン病の薬剤療法では腸管に起こっている炎症を抑えたり、免疫機能を調整することによって症状をコントロールします。
5-ASA製剤
5-アミノサリチル酸(5-ASA)を有効成分とする薬で、腸管の炎症を抑えます。
活動期の症状改善と寛解維持を目的に使用されます。
ステロイド、ホルモン剤
中等度以上の炎症や、軽度でも5-ASA製剤に反応しない活動期の炎症を抑えて症状を改善するために使用されます。長期的に使用することで副作用が問題となるため、効果が得られれば徐々に減量・中止します。
免疫調整剤
ステロイドの減量・中止に伴い再燃を繰り返す場合に用いられ、寛解を維持する効果も認められます。
抗体製剤(TNF-α、IL12、IL23)
クローン病ではTNF-α、インターロイキン(IL)12、23と呼ばれる炎症を引き起こす生体物質が過剰に作られています。これらの働きを抑え、炎症を軽減させる際に用いられます。

栄養療法

食事による腸管の炎症を抑え、栄養状態の改善を行います。

経腸栄養療法
鼻からチューブを入れて栄養を注入するか、経口的に栄養剤を服用します。 寛解期には1日の必要カロリーの半分を栄養剤で補う在宅経腸栄養療法が用いられます。

食事療法

食事は生活の中の楽しみの1つでもあり、クローン病の患者さんやその家族は「どんなものを食べたら良いの?」「外食はできないの?」など、食事に関しての不安や疑問があると思います。
 クローン病の食事は低脂肪・低残渣・高タンパク・高エネルギーが推奨されていますが、個々人によって「合う食材」と「合わない食材」が異なるため、自分に合った食事を見つけていく事が大切となります。

食事時の注意点

  • 脂肪の多い食品は避けましょう。
  • 食物繊維を制限しましょう。
  • 香辛料、アルコール、炭酸飲料など刺激のあるものは避けましょう。
~外食をするときは~
  • 外食は1日1回程度にしましょう。
  • 炎症があり、下痢をしているときの外食は控えましょう。
  • 揚げ物は衣を剥がして食べるなど、脂質の多い料理は工夫して食べましょう。
  • ドレッシングはノンオイルを選ぶようにしましょう。
  • 1日の食べる量を守りましょう。
  • 日常生活について

    仕事や学校、日常の運動を含めクローン病を理由に生活を制限する必要はありません。
    寛解期での適度な運動は精神的ストレスを軽減させる事もあります。
    ただし、運動が疲労の原因である場合には無理をせず、体を休めてあげることが大切です。
    十分な睡眠をとり、趣味を楽しむなどストレスの発散方法を自分で見つけおくようにしましょう。

    禁煙に努めましょう

    喫煙はクローン病の悪化や再燃の要因になる事が報告されています。
    現在喫煙中の方は禁煙に努めましょう。

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