患者さんの安全のために
転倒・転落防止について
病気による身体の状態によっては、入院中に思いがけず転倒する(転ぶ)ことや、ベッドから転落する(落ちる)ことがあります。ご自宅では、不自由なく日常生活を送れていても、病院は住み慣れたご自宅とは違います。病気による身体の状態と環境の変化により、入院前より転倒・転落を起こしやすくなっています。
入院中に転倒・転落を起こしやすくする原因
病気や治療による身体の変化
病気による身体の変調や手術・検査などの治療後には、だるさ・ふらつき・身体の力が入りにくい状態を感じることがあり、転倒・転落が起こりやすくなります。
睡眠薬や強めの鎮痛解熱剤(痛み止めや熱さましの薬)、抗うつ剤の使用
睡眠薬や強めの鎮痛解熱剤・抗うつ剤などの薬を使った後に、身体の動きが鈍り、ふらついたり、注意力・集中力が低下したりする場合があり、転倒・転落が起こりやすくなります。
手足の病気
手や足の病気(骨折や関節症など)の手術後や治療中は手足を自由に動かすことができません。そのため身体のバランスを崩し、転倒・転落が起こりやすくなります。
患者さん・ご家族の方へ ご協力のお願い
当院では、入院後患者さんの転倒・転落の危険性の評価を行い、予防策を立て実施します。しかし、医療スタッフが行う予防策だけではすべてを防ぐことはできません。患者さん・ご家族と協力して転倒・転落の頻度を最小限にしたいと考えています。
次のことにご協力をお願いします。
テレビを使用した転倒・転落防止DVD「笑顔のままで」のご視聴について
- テレビのリモコン操作方法は看護師から説明をします。
- いつでも無料で、繰り返しご覧になれます。
ベッド周辺での注意事項について
- ベッドの上で立ち上がったりベッドから身を乗り出して物を取ろうとすると、ベッドから転落する危険があります。必要な物は手の届く場所に置いてください。
- ベッドに設置されたオーバーテーブルはキャスターがついていますので、手をつくとキャスターが動きます。オーバーテーブルを支えにして立たないでください。
履物について
室内での履物は、すべりにくく履きやすい物を使用してください。
日常生活の注意事項について
- トイレに行く時、帰ってくる時に、転倒・転落が一番多く発生しています。
- ベッドから車いすに移る、車いすからベッドに戻るなど、1人で行うのは危険な時もあります。
- 睡眠薬や鎮痛解熱剤・抗うつ薬の使用後にふらつくことがあります。
転倒・転落防止物品の使用について
患者さんの転倒・転落の危険が高い場合には、離床センサーなど転倒・転落防止用の用具を使用させていただきます。ご了承ください。
ご家族の方へ
- 不要となりました物は早めにご自宅へお持ち帰りいただき、ベッド周りの整理整頓にご協力ください。
- ご家族が面会に来られ患者さんと過ごすことは、患者さんの励みになり精神面も安定し、夜間の良眠につながります。日中の面会の際には、患者さんをできるだけ起こして一緒に過ごされますようお願いします。
- 転倒・転落の危険が高い場合、ご家族の方に面会をお願いすることがあります。
アレルギーについて
アレルギーとは、普通の体質の方には無害な物が、特異の体質の方には敏感に反応することを言い、有害な症状を引き起こす恐れがあります。患者さんと医療者双方で確認し合うことで有害な症状の発生を予防できます。ご協力をお願いします。
薬物アレルギー
薬を内服・注射・吸入・あるいは軟膏を身体に塗った後に起こります。主な症状は薬疹(やくしん)と呼ばれる蕁麻疹や湿疹ですが、中には熱が出たり、血圧が下がるなど、全身に影響を及ぼすこともあります。
- 薬のアレルギーを起こしたことがある場合、外来診察時や入院した時に、医師または看護師に薬の名前をお知らせください。
- 当院では薬のアレルギーが判明した場合、名刺サイズでピンク色の「薬物副作用カード」をお渡しします。
- すでに他施設から発行された「薬物副作用カード」をお持ちの方は、外来診察時や入院した時にカードの提示をお願いします。
食物アレルギー
特定の食物(牛乳・卵・そば・えび・かに・小麦・ピーナッツなど)を摂取した後に起こります。主な症状は蕁麻疹などの皮膚症状、唇やまぶたが腫れる粘膜症状、咳込みや呼吸が苦しくなる呼吸器症状、嘔吐や腹痛の消化器症状などです。
- 入院中に安全な食事をお出しするため、食べてはいけない食物がありましたら看護師にお知らせください。
- 配膳されるお膳には禁止食物が書かれた「食札」(10cm×10cm程度の用紙)が付いてきます。「食札」にご自身のアレルギーを引き起こす食物が書かれているか確認をしてください。書かれていない場合は食べる前に看護師に申し出てください。
本人確認について
当院では、患者さんの取り扱い防止のため、患者さんと医療者双方で本人確認を行なっています。ご協力をお願いします。
- 手術・検査・点滴・採血等の場面で、職員が名前をお聞きしましたら、名前をフルネームで名乗ってください。
- 自分で名前を名乗れない患者さんは、ご家族に名前の確認をします。
- 同姓同名の患者さんが同じ病棟に入院している場合は、名前に加え生年月日をお聞きします。
薬について
- かかりつけの医院・診療所等から処方されている薬を引き続き使用します。途中で薬が中断することのないよう、かかりつけの医院・診療所等から薬を処方してもらい、入院日にお持ちください。入院してしまうと、かかりつけの医院・診療所等では処方できない規則(厚生労働省よりの通達)になっています。
- ただし、入院中にいつも使用している薬がなくなった場合は当院で処方しますので、主治医または看護師にお伝えください。
暴言・暴力・迷惑行為について(具体的には、当ホームページ内、「理念・行動指針」→「患者さんの責務」ご覧ください)
- 職員に対する患者・家族からの暴言・暴力・迷惑行為や、病院内の器物を故意に破損するような行為の程度によっては警察へ通報します。
- 敷地内の喫煙や飲酒は禁止です。
病院敷地内の安全確保について
- 日中は保安対策の職員、夜間は警備員が病院敷地内を定期的に巡回しています。
- 不審者を見かけた時は積極的に声掛けを行っています。
- 防犯カメラを設置しております。