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新救急拠点病院構築に向けた取り組みについて

新救急拠点病院構築に向けた取り組みについて

当院では、新潟市の救急医療のひっ迫緩和を目的とした新救急拠点病院の構築に向けて、様々な取り組みを行っています。

Ⅰ 新救急拠点整備・運営主体に選定

 当院は、2023年5月31日に、新潟市救急医療拠点病院に関する運営主体選定委員会(委員長:堂前洋一郎・新潟県医師会長)から、公募の結果、新潟市内における医療再編による新たな救急拠点の整備・運営主体として選定されました。
 これは、新潟市内に年間8,000台以上の救急車を受け入れる新たな救急拠点病院を整備することを目的としたものです。

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2023年5月31日、新潟県庁で行われた記者会見の様子。右から2人目が本間院長。


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Ⅱ 救急車の受け入れ実績

①2023年度の実績

 2023年度は4,521台の救急車を受け入れました。これは、新潟市民病院に次ぎ2番目に多い実績となっています。

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②直近5年間の受け入れ実績

 2022年度以前は、2,500台~3,000台程度でしたが、2023年度は1.5倍の台数となっています。

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Ⅲ 受け入れ体制の強化

1 救急外来拡張

 同時に受け入れられる救急車の台数を増やすため、2023年9月に救急外来の拡張工事を行い、ストレッチャーが同時に配置できる台数を2台から4台に増やしました。

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2 ベテラン医師による当直サポート体制の構築

 救急搬送依頼が多い新潟市二次輪番制の内科輪番日には、当直医師、研修医のほかベテラン医師が協力し、救急車の受け入れに対応しています。

3 救急車専用駐車場所の整備

 救急搬送後の救急車が救急搬送入り口から速やかに移動し、安全に待機することができる救急車専用駐車場所を整備しました。
 救急車が3台駐車可能で、搬送後の車内の点検・整備などをゆったりとできるスペースが確保されました。

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4 医療機器の充実

①超音波画像診断装置(エコー)
様々な症例に迅速に対応するため、エコー機を追加購入しました。

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②エマージェンシーストレッチャー
救急外来で使い勝手の良いストレッチャーを2台購入しました。起坐位を保持することができ、高齢者の呼吸器疾患や循環器疾患患者の酸素化にも対応します。

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Ⅳ 人材確保・育成

1 医師(専門医)

 私たちとともに新救急拠点病院構築に取り組む医師を求め、各所に医師募集の情報発信を行っています。新潟へのUターン・Iターンをお考えの先生のご相談にも対応しています。お気軽に採用情報ページのお問い合わせよりご連絡ください。
採用情報ページはこちら

2 医師(専攻医)

 救急科:2024年度より新潟大学医歯学総合病院と済生会新潟県央基幹病院の連携施設になりました。
 総合診療内科:2025年度より専門医資格が取得できる施設になれるよう申請準備中です。

3 医師(研修医)

 研修の質を保ちつつ、採用人数を増やしています。医師人生の中でも貴重な2年間を当院で過ごすことで様々な症例を経験できます。
 当院で2年間学ぶ研修プログラムのほか、公立昭和病院、宇治徳洲会病院とのたすきがけプログラムに加え、2025年度からは徳洲会湘南鎌倉総合病院とのたすきがけプログラムも開始します。
臨床研修医募集ページはこちら

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4 看護師

 当院は新潟市のほぼ中心部に立地し、離職率も低く、安心して働ける職場です。今年の採用活動でも多くの看護学生が説明会場に来てくださいました。

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5 救急救命士

 救急外来の業務を担う救急救命士の採用に向けて準備を進めています。2024年度からは救急救命士を目指す学生の臨床実習を開始します。

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Ⅴ 働き方の見直し

1 セル看護の導入

 セル看護とは看護師の導線を見直すことで業務を軽減し、患者さんのそばで看護する時間を確保することを目的としています。これによりさらに患者さんに寄り添った医療を提供することができます。

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2 ナースカート&電子カルテ端末の拡充

看護師が電子カルテ端末の不足により業務に支障が出ないように、病棟では日勤の勤務者1人ずつに専用の電子カルテ端末を配備しています。

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3 インカムの導入

看護師同士のコミュニケーションや情報連携をリアルタイムでスムーズに行うためインカムを導入しました。看護師からは仕事がしやすくなったと好評です。

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4 iPadモニタリングシステムの導入

心電図モニタの波形をセントラルモニタだけではなく看護師の手元にあるiPadで確認することが出来ます。波形異常時にナースステーションまで確認に戻る必要がなく、素早い対応が出来ます。

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5 タスクシフト

①特定行為看護師
 院内には8名の特定行為看護師がおり、現在は集中治療室、救急外来で活躍しています。

②医療クラーク
 院内に30名の医療クラークを配置し、外来と一部病棟で医師の事務作業を担っています。特に退院サマリーや診療情報提供書の代行作成は医師が治療に専念する時間の確保に有効となっています。

③看護補助者
 院内に51名の看護補助者を配置し、うち35名が患者さんの療養生活上のお世話をしています。すべての病棟の夜間を含めた時間帯に勤務しており、看護師と協働して看護ケアに参画しています。

6 PFMの拡充

 PFM(入退院管理)部門では入院する患者さんに入院オリエンテーションや必要書類の作成などを行っています。今後はさらに多職種でアセスメントし、情報を標準化することで、より適切な医療の提供を行えるようにします。

7 看護師ユニフォームの見直し

 日勤者と夜勤者の色を変えることで、シフト交代時の指示・伝達がスムーズになり、業務も円滑になりました。

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Ⅵ 地域の医療機関との連携強化

1 CAREBOOK(ケアブック)の導入

 転院調整業務の負担軽減や効率化につながるCAREBOOK(オンラインでの調整業務を可能にした、医療介護機関向けのクラウドサービス)を導入しました。
 新潟市内において当院が本システムを早期に導入し、新潟医療圏でも導入病院が急速に拡大しました。2024年4月時点では新潟医療圏内の32病院で導入され、スムーズな転院調整と病院間の連携に活用しています。

2 連携医療機関への訪問

 当院からリハビリや療養を継続できる病院へスムーズに転院できるようにするため、各連携医療機関を訪問しています。訪問先病院と意見交換をすることにより、お互いが困っていること、より良くするために何が必要かなどを話し合い、相互の理解と連携を深めています。

【新潟白根総合病院訪問時の様子】

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【信楽園病院訪問時の様子】

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【木戸病院訪問時の様子】

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【西新潟中央病院訪問時の様子】

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3 外来完全予約制の実施

 2024年1月から、当院は、原則として外来完全予約制に移行しました。これは、2023年8月1日に新潟県より「紹介受診重点医療機関」の指定を受けてのことです。外来を受診する際は、他医療機関による紹介が原則として必要です。
紹介受診重点医療機関の紹介はこちら。

Ⅶ 病棟運用の効率化

1 病床の弾力的運用

 限られた医療資源を効率良く使用するため、病棟間の連携強化も進めています。

2 利用しやすい病室に改修

 4人部屋だった病室を2人部屋に改修する工事などを行いました。これにより、病室を患者さんの状態に合わせ、利用しやすくしました。

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Ⅷ ICT化

1 AI問診

 一部の外来では、AI問診(専用タブレットを使用した人工知能による問診)を導入しています。このシステムにより、スタッフの問診業務に関わる時間の短縮やより質の高い医療の提供が期待できます。

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2 LINE診察待ちアプリ

 自分の診察順番が近づくとLINEでお知らせが届きます。利便性向上に加えて、待合室の混雑緩和や院内感染リスクの軽減も期待できます。

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3 ナースコールの更新

 全病床のナースコールを入れ替えました。新しいナースコールでは、病室入口の表示パネルが液晶画面になりました。電子カルテとの連動で患者情報が自動反映され、スムーズに入院の準備をすることが可能となりました。

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4 見守りカメラの導入

 一部の病床では、患者さんの様子を遠隔で確認することができます。ナースコールと連動しており、患者さんの起き上がりや離床を検知し通知します。

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5 メドコムの導入

 看護師はメドコム(スマートフォン)を使用しているため、出勤者の判別が可能で、迅速に連絡を取ることができます。また、「ナースコール」や「見守りカメラ」と連動しているため、患者さんの状況変化をいち早く把握し、より迅速な対応が可能となりました。

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Ⅸ 広報の強化

1 救急拠点構築推進イメージキャラクターの作成

 改革を進めるに当たり、親しみやすいキャラクターを作成し、各種媒体(ポスター・アクリルスタンド・Tシャツ・LINEスタンプ)を用い、院内外での理解・浸透に活用しています。

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2 病院広報誌や病院HP等の活用

 毎月発行する病院広報誌に必ず救急拠点関連の記事を掲載し、当院の取組状況を伝えています。また、ホームページ等を活用した情報発信に努めています。

Ⅹ 行政、医師会、大学との連携・協力

 新潟県地域医療構想グランドデザインに沿った新潟圏域の救急医療体制を構築するため、定期的に意見交換を行っています。

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 今後も年々増加する救急車を受け入れ、新潟市の新救急拠点病院としての役割を果たしていきます。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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