案内:済生会新潟第二病院眼科『細井順 講演会』      演題:「豊かな生き方、納得した終わり方」   講師:細井順(財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院ホスピス長)     期日:平成20年2月23日(土) 午後4時〜5時半      開場は午後3時30分です。早めにご来場下さい。     場所:済生会新潟第二病院 10階会議室   参加無料   どなたでも大歓迎です。   事前登録(会場準備の都合により事前登録とさせて頂きます) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  済生会新潟第二病院眼科『細井順 講演会』 参加申し込み   氏名:            職業:     職場:   連絡先     住所:(郵便番号     )     FAX     メールアドレス: ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  《主催/問い合わせ先》    済生会新潟第二病院 眼科外来     950-1104 新潟市西区寺地280-7      Fax 025-233-6220      メール  gankando@sweet.ocn.ne.jp   電話でのお問い合わせは、お断りします 【講演抄録】  人生を思い通りに生き切る人はいない。多くの山を乗り越え、頂上を目指して、 いつそれが訪れるのかも定かでないままに日々の歩みを進めているのが現状である。 それどころか頂上についたことに気づきもせず、下り坂へと歩みを続けているかもしれない。 確かなことは終わりの日が待っていることである。私はホスピスという職場で、 人生の終わりの日々を過ごす人たちに関わらせてもらった。 そこでは、確かなことを前に揺れ動く人のこころを垣間見てきた。 「人はひとりでは生きられないし、人はひとりでは死ねない」。これがホスピスから教わった教訓の一つである。  実は私も4年前に腎臓がんと診断されて、右腎臓の摘出術を受けた。私の医師としての経験から、 根治はまず無理であろうと思われる大きさであった。残された時間に何をなすべきかを真剣に考えた。 残された時間で人生を完成させようという気持ちになった。手術で病気を治したい、延命したいとは考えなかった。 ただ、血尿という症状は除いて欲しかった。血尿のために満足に仕事ができなかったからだ。 術後、現在まで再発の徴候はない。手術は成功した。だが、いつ腎臓がんの再発があるか判らない。 咳が続けば肺への転移かと思い、腰が痛ければ骨への転移かと思う。我が人生からはがんが離れることはない。  私のがん体験は、ホスピスで診る患者さん達に対して、「お互いさま」という気持ちを持つきっかけになった。 非常に患者さんを身近に感じる。がんであろうとなかろうと、同じ人間同志で一つも変わらないという思いを強くする。 「後がない」を意識することで、お互いに率直に話しができる。  2007年の世相を表す言葉として「偽」が選ばれた。ホスピスはオアシスの役割を担っている。 人間に定められた確かなできごとの前で嘘は通用しない。真実になれる。そこに「いのち」が生まれる。 講演を通し足場の見えない時代に生きるヒントを、「死」の視点から共に考えたい。  細井順氏は、05年11月『済生会新潟第二病院 眼科講演会2005』で講演し(*)、以下のように語りました。 「死は予期しない時にやってくる。病気で死ぬのではない。人間だから死ぬ。 死ぬことは、生きている時の最後の大仕事。生きれない時、死ねないときが来る。生きているのでない、生かされているのだ。」  「医者は、例えるなら、患者さんに100kgの重しがかかっていると、切り刻んで50kgや30kgにしようとする。 時には失敗して200kgにしてしまうこともある。ホスピス医は、100kgの重しを一緒に支えようとする。 そんな違いを感じる。」  今回どんなお話が伺えるのか、とても楽しみです。多くの皆さんのご参加を期待しています。