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よもやま話

整形外科

股関節よもやま話

第一話 変形性股関節症の自然経過 第二話 よくわからない!?股関節痛 第三話 人工股関節全置換術の実際 第四話 手術を受ける際の不安について

人工股関節置換術

当院では新潟大学股関節グループと連携して股関節専門医による先進医療を用いた治療を行っております。手術は全身麻酔と硬膜外麻酔を併用して行い、1~2時間を予定しています。最小侵襲手技(MIS)を用いて筋腱切離を一切せずに行うことを基本とするため、術翌日から歩く訓練を開始し術後2週間で自宅退院を基本としておりますが、術後の安全が確認できれば早い方では4日で帰られる方もおられます。社会復帰は事務職であれば個人差はありますが数週程度で可能です。合併症対策として3D的手法を用いた術前計画・術中支援・術後評価を行い、個々の患者様に最適な人工関節の設置を心がけております。近年はMIS手術の併用により、特殊な方を除いては術後の生活制限をなくしても脱臼が生じないようになりました。また手術は高い設置精度を実現させる術中支援デバイスを用いて行うことを基本としており、ナビゲーションなどで用いられるアンテナなどを挿入する侵襲を加えなくとも、同程度の確実な結果が期待でき患者さんにも喜ばれております。深部静脈血栓症の対策としては、早期離床はもちろん薬物療法による予防も行い周術期管理に力をいれております。
2012年春より股関節専門医常勤により、通常の対応では行えない変形や脚長差などの患者様に対し、骨移植や骨切を併用して人工関節を挿入する方法などで対処する特殊な人工股関節置換術にも対応できるようになりました。また人工関節の緩みで、いれかえなければならない再置換術などに対しても経験豊富な股関節外科医が対応しております。お困りの方は御相談下さい。

脱臼肢位:屈曲・内転・内旋位

股関節は深く曲げた時に後方へ脱臼し易いことがわかっています。脱臼は原因が一つでは無いためこのインピンジメントの現象だけが原因ではありませんが、股関節を深く曲げて内側に閉じ、さらに内側に捻ると前方部分があたりやすいことがこれで分かると思います。このメカニズムが以前はよくわからなかったため、低い椅子に座らない・深く曲げてはいけない等の経験的な指導が行われていました。当院ではこのようなシミュレーションを手術に反映させているため、通常術後は一般的動作制限などをせず日常生活をおくってもらうようにしております。

脱臼肢位:伸展・内転・外旋位

逆に前方への脱臼は深く曲げる方向では無く股関節を伸ばす場合に起こりやすいと言われています。先程も書きましたが脱臼は原因が一つでは無く、アプローチの方法で軟部組織の侵襲程度によってもはずれ易い方向があることを経験しております。この図は股関節を伸ばし、内側に閉じ、さらに外側に捻ると後方部分があたりやすいことを示したシミュレーションです。当院ではこのような解析をもとに、できるだけ筋腱切離をせず筋肉の付着部を完全に温存することで軟部組織の侵襲程度を最小限におさえ脱臼予防と早期社会復帰に心がけています。

寛骨臼回転骨切術

当院ではできる限り人工関節に頼らない治療方針で股関節症に取り組んでおります。その一つに、まだ関節軟骨が痛みきっていない場合、自分の関節を再利用して痛みをとり、より長く関節をもたせる術式があります。具体的には骨盤を12cmの小切開で展開、骨を回転させ体重を支える部位を広げることで荷重を分散し除痛を得る術式です。手術時間は1~2時間・入院は6週間前後ですが松葉杖が上手に使えるかどうかで決まります。術後3日目から足をつきはじめ、骨がくっつき始めることを確認しながら徐々に体重をかけていきます。自然の治癒力に頼るため完全に骨が着くまで3か月程度かかり、社会復帰には3~6か月を要しますが、長い一生を考えると急がばまわれかもしれません。 人工股関節の術後年数が経ってから生じてくる合併症でお困りの方も確実に増加してきており、長い将来を見据えて慎重に治療方針を検討されることをお勧めいたします。

股関節鏡手術

以前からある術式で膝・肩関節では広く普及しています。内視鏡と同じ原理で小さい傷を数か所つくり股関節内の評価や処置などを行ってきます。手術時間は2~3時間・入院は数日~2週間ですが、処置内容によって大きく変わります。当院で行っている処置は、関節唇縫合・骨棘などを切除する関節形成術・加齢現象にて生じた痛みの原因となりうる組織を切除するデブリードマンを行っております。侵襲が少なく術後回復が非常に早いことが大きな特徴となります。当院では股関節疾患の自然経過を十分考慮し、その経過において診断と治療を兼ねて股関節鏡の適応を決めております。
近くの整形外科で3か月以上保存治療を行っても改善しない股関節痛があるようでしたら受診をお勧めします。

実際の手術映像はこちら

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