ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  公開講座 報告3 「高次脳機能と視覚の重複障害を考える〜済生会新潟シンポジウム」    座長・演者として参加された方々の印象記・感想です。 印象記  永井博子 (神経内科医:押木内科神経内科医院) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    特別講演の佐藤正純先生  私は神経内科医として日頃神経難病の方と御家族にどうやって病気を受容していただくかで悩んでおり ますので、佐藤先生が自分の専門分野の病気になって、どうやって病気を受容していらしたのかに、とて も関心がありました。このことに関してはあまり触れてはいらっしゃいませんでしたが、リハビリに目標 を設定することにより、達成感を持ちながらリハビリを続けられること、楽しくリハビリをやること、な ど常にポジティブに考えて行動していらっしゃることに感銘しました。  教育講演の仲泊聡先生  眼科医でこれだけ深く高次脳機能障害に係っている方がいらっしゃるということがまず驚きでした。高 次脳機能障害といっても沢山の症候があり、理解するのも大変なのですが、広い範囲に渡って平易にお話 ししていただきました。今なら佐藤先生を受け入れられたかもしれない、というお言葉が印象的でした。 今後の視覚の高次脳機能障害への取り組みの発展に期待を持ちました。  教育講演の野崎正和先生  私は勉強不足で、視覚障害者専用の訓練施設があることを知らなかったので、非常に新鮮でした。歩行 訓練士という職業も初めて知りました。中途視覚障害者ということで、病気の受容からして、大変なこと と思いますが、出来ることをやっていく、楽しくやる、将来への希望をもつ、など佐藤先生のお話と共通 しますし、視覚障害者や、高次脳機能障害者だけでなく、リハビリをやるすべての方へのメッセージだと 感じました。  教育講演の立神粧子先生  あらかじめ安藤先生から御紹介していただいて、本を読み、お話をお聞きできることを非常に期待して いました。医療とは全く関係ない分野にいらっしゃるのに、専門的なことをすべて理解していらっしゃる ことに驚きかつ感銘いたしました。とても実践的な訓練なので、これを日本で、日本語で受けることがで きたら、と思いました。  全体を通して  最近、ようやく高次脳機能障害に少しずつ、関心が向けられるようになってはきましたが、まだまだ、 理解されていないというのが現状です。仲泊先生のお話にあったように、国も関心をもってくれるように なりましたが、対象となる高次脳機能障害を限定してしまっている状況です。そのような時期に、高次脳 機能障害と視覚障害の重複障害の方のお話をうかがえて、かなり理解を深めることが出来たと思います。 最後に小林さんの、リハビリは必要なんでしょうか、というなげかけ、そして、佐藤先生の、90分の講 義が出来た時初めて病気を受容出来ました、というお言葉は、我々医療従事者は常に心に留めておかなけ ればならないと思いました。 公開講座 & 交流会に参加して  佐藤正純(もと脳神経外科専門医;横浜市立大学付属病院          医療相談員:介護付有料老人ホーム「はなことば新横浜2号館」) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  受傷から8年後、社会復帰から2年後の2004年に札幌にお招きいただいて最初の個人講演会をさせていた だいてから年平均5件のペースで40件近くの講演を経験してきましたが、今回のようにリハビリテーショ ンの専門家である先生方と並んでの本格的なシンポジウム形式は初めてだったので、開演前は柄にもなく 緊張していました。  それでも、いつもの私のペースで冗談と雑談を交えながら訥々と話すうちに時間が足りなくなって予定 していた内容のうち、どうにか60%の結果ではありましたが、最初に哲学ありきとする私のリハビリテー ション理論、趣味などに結びつけ、達成感を感じることで楽しみながら進める心のリハビリ、神に生かさ れ、障害も神から与えられたものと悟る死生観と障害受容などはお伝えできたのではないかと思っており ます。  神奈川リハビリテーション病院入院中には担当医としてお世話になった仲泊聡先生を前にして、視覚と 高次脳機能が合併した障害に対する神奈川リハビリの対応を批判しながら話すのはとてもやりにくかった のですが、一人の患者として率直にぶつけた思いを、仲泊先生がよく理解して受け入れてくださったのは 有難かったです。  訓練開始前に白杖持参を受け入れていた私を評価して、自身の障害に合わせたリハビリテーションプロ グラムに沿って私の歩行訓練を担当してくださった東京都盲人福祉協会の山本先生もそうですが、野崎正 和先生はリハビリテーションの中でも特に訓練生と生の会話をする時間が取れる立場を利用して、患者さ んを丸ごと受け入れている温かさを感じました。  また、私がかつて所属していた高次脳機能障害者の団体「日本脳外傷友の会」でも何度か紹介されて名 前だけは知っていた秘密の組織「ニューヨークRusk研究所の神経心理ピラミッド理論」について立神粧子 先生から非常に貴重な情報をいただきました。そして、単なる私個人の理論ながら、私が心の拠り所とし て、相談を受けた方にも伝えていた「1粒で2度美味しい重ね着人生」は神経心理ピラミッド理論の自己 同一性とも一致する点があることは自信に繋がりました。  喫茶「マキ」での懇親会では、眼科医でありプロミュージシャンでもある佐藤弥生先生の登場に圧倒さ れて逃げ出したくなりましたが、私の要望に応じて集まってくださった地元のジャズバンド、小林英夫バ ンドとのセッションで、思いがけずジャズのメッカである新潟でのひとときの演奏を楽しむことができま した。    印象記  仲泊 聡(国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部長 眼科医) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  1995年7月1日、私は神奈川リハビリテーション病院に赴任しました。医学部を卒業して7年目の夏でし た。そのときの私は、障害者という概念について考えたこともない不届きな眼科医でした。大学の授業に は障害の概念や社会の福祉システムについての項目はあったはずです。しかし、全く印象に残っていませ ん。弟が脳膿瘍で片麻痺になり6歳で亡くなったことは自分の人生観に大きく影響していると思っていま した。物心付いた頃には叔父の一人が失明し白杖を持っていました。従兄弟の一人が頸随損傷で四肢麻痺 になっていました。それにもかかわらず、障害者は自分とはあまり縁がないような印象をもっていまし た。今となってはそれが不思議なくらいですが。  佐藤正純さんが同院に入院されていたのは、1997年1月からの約1年と伺いました。私も眼科の外来で お目にかかっているはずです。重度の高次脳機能障害の患者さんでピアノがとびきり上手な人がいるとい ううわさは、私の耳にも入ってきていました。当時、私は「その」世界に飛び込んでまだ二年生です。佐 藤さんの症状を紐解くことはまだ難問中の難問だったと記憶しています。  1998年に私は放射線科の医師と一緒にファンクショナルMRIの仕事を始めました。通常のMRIではわから ない大脳の機能低下を画像化するためです。2002年、国のモデル事業で高次脳機能障害の仕事が始まり、 同院もその一員となり、リハ医師が中心となってガイドライン作成に向け高次脳機能障害の方のリハプロ グラムが試行錯誤で検討されました。私も研究要員としてファンクショナルMRIの仕事で参加させても らっていました。そして、何と立神粧子先生の旦那様が同院に入院されていたのは、そのモデル事業が始 まった頃だったのです。だから、私は眼科の診察をしていたに違いありません。佐藤さんに出会った頃よ りはもう少し高次脳機能障害に対する知識も増えていたかもしれませんが、結局、あまりお役に立てては いなかったようです。  お二人のその後の壮絶な戦いを知り、そして、今を知ることで、自分の無知無力を反省するとともに、 「決して諦めない」ことへの勇気が湧きました。10余年の月日を経て、かつて神奈川県の七沢の森の中 で、このお二人と袖触れ合ったご縁を噛み締めつつ今回のお話を伺うことができました。そして、改めて リハへの「動機付け」の重要性を感じました。今後の診療活動の糧とさせていただきます。ありがとうご ざいました。  感想  野崎正和 (京都ライトハウス鳥居寮;歩行訓練士) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   懇親会の音楽会はとても楽しいものでした。残念なことは、私が演歌人間で、ジャズなどを聞いてもよ くわからないという点です。それで何が楽しいのかといえば、演奏している皆さんが、長くされているす ごく上手な方から、それほど長くない方までとても楽しそうに演奏しておられたことです。楽器を演奏で きるのはいいなーと思いました。  さて、以前から佐藤正純先生のお話をお聞きしたかったのですが、安藤先生のお力でかないました。し かし、私はパネラーになっていなければ、2月の新潟まで聞きに来れたかどうか分かりません。 そういう 意味では、たくさんの参加者の皆さんに恥ずかしい限りです。先日、佐藤先生のお話をCDにして当事者の B氏にプレゼントしました。最近B氏も地域の学校や老人会などでお話をする機会が少しずつ増えています から、佐藤先生のこなれたお話がとても良い教材になると思います。  仲泊先生には、先生が取り組んでおられる視覚障害リハビリテーションの今後を左右するようなプロ ジェクトについて教えていただきました。もし、協力させて頂けるようでしたら、安藤先生から学んだ 「自分に出来ることを精一杯楽しんでやる」精神で取り組みたいと思います。  立神先生のお話は、本当にサプライズでした。先生の著書の「前頭葉機能不全 その先の戦略」を、あ とで購入して拝読いたしました。現場でリハビリテーションに関わっている立場としては本当に参考にな ることばかりでした。常に神経心理ピラミッドを念頭に置いて考えたいと思いますが、全体として自分の 職場でどう活かすかと言う点では、バックグラウンドが違いすぎて、どうしたらよいかまだわからない状 態です。  私は、高次脳機能障害で全盲のB氏のリハビリテーションについて発表させていただきました。つたな い発表のため、高次脳機能障害の代償手段がほとんど使用できない全盲という条件の厳しさや、このよう な方が地域で安心して生活しながら社会参加していくための支援システムをみんなで考えて欲しいという ことなどを十分お伝えできなくて申しわけありませんでした。これからも少しずつ勉強していきたいと思 います。 雪の新潟はとても温かでした。  感想 立神粧子(フェリス女学院大学教授) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  講演の時間が延びてしまい、学会の最後でお疲れの皆様を「神経疲労」にさせてしまいました。でも、 神経心理ピラミッドの説明なしではRuskの概念は理解できないので、あれはあれで仕方なかったと 思っています。講演の機会を与えて下さり有難うございます。  佐藤先生は、おひとりで自分と向き合う力をお持ちの方で、自らの能力を最大限に生かしていらっしゃ るところが素晴らしいと思いました。Ruskの「自己同一性」の哲学と共通する哲学をもって、今もこ れからも、重複障害を持って生きるということに真摯に取り組まれていかれるであろうと思います。  仲泊先生は、非常にコンパクトにわかりやすく高次脳機能障害を説明されました。安藤先生のご指摘に もありますように、佐藤先生の入院当時のことを正直に話されたことも共感を持ってお聞きしました。10 年ほど前は、日本の高次脳機能障害者とその家族にとっては、まだまだ希望が見えない医療やアドバイス だったと記憶しています。  野崎先生のお話しは、現実の問題に即した実践的な視点で有意義なものだったと思います。  講演後に、永井先生からもお声をかけていただきました。よろしくお伝えくださいませ。 東京 眼科医 ーーーーーーーー  あの日、佐藤先生と横浜市大附属病院の病室で会って以来十数年ぶりに再会し、最後東京の最寄り駅ま で一緒に帰りましたが、あの病室で会った時から見違えるほど回復され、私と「普通の」会話ができるよ うになったことに大変驚きました。JR職員の手助けがあったにせよ、一人で東京から新潟まで来られるよ うになったこと自体、この目で確かめるまで信じられませんでしたし、帰りの新幹線の中では、彼が重複 障害を抱えていることを忘れてしまい、ごく普通の「同級生の昔話」を楽しむことができたことに今更な がら驚いております。  昼に新潟駅で会って改札脇の回転寿司屋に入り、いろいろな会話からほとんど昔の彼に戻っていること に気がつきましたし、タクシー乗り場までもゆっくりながらも普通に歩くことができ、すくなくとも自立 した生活が可能であることに気がつきました。  講演内容も、生死の境をさまよった人とは思えないくらい、正確にその時の状況を話されて、私も初め て知ったことばかりで「そうだったのか」と改めて知った状態でしたし、今後の人生に対する確固たる決 意を聞いた時には、本当に強く心を揺さぶられました。ここまで回復できたことは、私にとっても嬉しい ですし、何より彼自身の強い意志と忍耐の賜物だと改めて感じる次第です。  今回、私も彼の回復をこの目で確かめ、そして彼と暫し「昔話」を楽しむことができました。おかげで 同窓会にも詳細な報告をする事ができ、同窓会幹事からも大変感謝されました。いろいろな意味で私に とっても、大変思い出に残る随行となり、一つの気持ちの区切りができたように思います。本当に有り難 うございました。 新潟市 精神科医 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  初めて参加しましたが、このような会が長年継続されていることが素晴らしい。医師・専門職・当事 者・一般の色々な立場の方が一緒に集まり勉強できる会で、しかも全国各地から集まっておられる事に驚 きました。  今回は精神病とは違う脳神経的障害である脳機能障害に関心を持って参加しました。  佐藤先生は心身ともに強靱な方で両方の力が相俟って回復されたかと感じました。同業者としては特に 意識が戻らないときに回復したきっかけが、ポケベルで「先生急患です」と呼ばれたことに反応したとい うお話は大変印象的でした。リハの途中で「これ以上は無理」と打ち切られたときに、逆に奮起してアク ティブになり試行錯誤して自立的にリハを行ったこと、一日一日の変化は分からなくても一週間、一ヶ月 前の自分と比べて「自分を誉める」こと、自分を高めて行く努力、そして遂に一人歩きできるようにな る、その過程に感動しました。   耳からの情報は生の能力を喚起するような力があるのではないでしょうか。小さいときからの音楽的情 緒的な豊かさが生きるのに役立った様に思います。  野崎先生・立神先生のお話も感銘深いものでした。今の子供達が電子ゲームばかりしている様子を見る と、発育に問題は無いのだろうかと不安になります。叉、脳細胞は不思議な物で小脳の働きが大脳の働き を代償していくかのようです。  本日は哲学的な感慨も受け、「死は諦めで、生は明めである」という言葉など貴重な示唆を頂きまし た。  病気ではなく事故で起こった高次脳機能の障害について学ぶ良い機会を与えて頂きありがとうございま した。 新潟市 リハビリ医 ーーーーーーーーーーーー  今回は、公開講座にお招きいただきありがとうございました。リハビリテーション医療に携わるものと して感じたことを簡単にまとめてみました。  佐藤正純先生の講演  高次脳機能障害と視覚障害という難しい障害の重複にも関わらず、目標をたてて、実行していくその力 に感動しました。自らリハビリテーションプログラムを作ったことなど驚かせられることばかりでした。 原動力は「明るさ」でしょうか。一方、リハビリテーション医療に対する鋭い批判にはリハビリテーショ ン関係者としていろいろ考えされられました。リハビリテーション医療は、医療者がゴールを設定し、 ゴールに到達したと判断した場合は終了とするのが普通です。しかし、医療者が判断するゴールは必ずし も正確ではないこと、利用者の希望や要望を聴いているのか疑問であることが佐藤先生の例からわかりま す。障害が変化していく可能性を念頭に、フォローして、状態に応じた適切な対応をしていくことの必要 性を感じました。  仲泊聡先生の講演  特に興味深かったのは、半側空間無視と半盲の視野検査所見の違いです。固視点を変えると半盲の場合 は、見えない部分が固視点の変化について行くのに対し、半側空間無視では変化しないというものでし た。半側空間無視は、リハビリテーション分野で失語症と同様頻度の高い障害ですが、眼科的な視点から のお話は初めてでしたので興味深いものでした。視覚に関係した高次脳機能障害のリハビリテーションの 実際も機会があればお聞きしたいと思いました。  野崎正和先生の講演  対応が困難な高次脳機能障害を併せ持った視覚障害者のリハビリテーションに積極的に取り組んでい らっしゃる様子が良くわかりました。具体的なことは時間がなくあまり聞けませんでしたが。リハビリ テーション医療との連携(高次脳機能の検査の結果やそれに基づいた方針や対応の仕方などの情報伝達) についてもう少し、お聞きしたかったです。  立神粧子先生の講演  早速、書籍は注文しました(今日来ました)。神経心理ピラミッドは、高次脳機能障害者の障害を理解 するのに役立ちそうですね。同じ図を、慈恵医大リハビリテーション科の橋本圭司先生の教育講演で目に しました。橋本先生は、高次脳機能障害者のグループセラピーを展開している方です。Ruskのプログラム の内容を知るには読んでみるしかないですね。    質疑で出された意見について  リハビリテーションは必要ないのではというのは極端だと思いますが、リハビリテーション医療が高次 脳機能障害に対応できていないのは事実だと思います。障害の評価も難しい上、検査の結果から活動(生 活、仕事、自動車運転など)の制限を説明しにくいこと、さらに、職業リハビリテーションと医療が連携 していないことなど問題点が多いのが現状です。今後の課題と受け止めます。  最後に、医療者、障害者が一同に会して勉強するという貴重な経験をさせていただき、ありがとうござ いました。 新潟市 病院ソーシャルワーカー ーーーーーーーーーーーーーー  この度はシンポジウムに参加させていただきてありがとうございました。とても実りのある会だったと 思います。  佐藤 正純先生の聡明さと素晴らしさにとても感動しました。障害の事を誰よりもご理解なさっている 先生にとって、障害を受け入れる事がどんなに難しかったことかと思いますが、今の人生を楽しんでい らっしゃる姿が眩しかったです。  安藤先生はじめ、仲泊先生も眼科医として高次脳機能障害について深く関わって下さる事にとても感謝 しております。新潟県の場合は、高次脳機能障害者に対する支援があまり充実しておらず、又、神経内 科・脳外科・リハビリ科・精神科などの先生が各個人で様々苦悩なさっている状況の中、眼科の先生から もご意見いただく事ができれば今後の支援も発展することでしょう。実際に、当院では眼科の細かい検査 などは出来ないため、わざわざ別の医療機関に受診してもらい、患者さんの負担も大きいです。障害が重 複している患者さんも多くいらっしゃいますが、当院の診療体制では全ての障害に望むような医療サービ スが受けられるわけではありません。  野崎先生のご講演もとても勉強になりました。私は病院のソーシャルワーカーであり、患者さんが地域 でどのように生活しているか全て把握しているわけではありませんが、あの方のようなリハビリ指導員が いらっしゃる施設があるとこちらとしても自信を持ってご紹介できます。新潟でももっと開拓していただ きたい位です。  勉強不足で立神先生の名前を知らなかったのですが、実際にアメリカでプログラムを受けられて、誰よ りも高次脳機能障害の難しさをご理解なさっている方だと思います。その中で、ご主人と一緒に新潟まで 足を運んでくださったり、ピアニストとして、教育者として研究者としてご主人の障害と共に人生を歩ん でいる姿が素晴らしかったです。  最後に質問して下さった小林さんという方、彼も若くして障害を負い、今も苦労して生活なさっている 場面も多いと思います。その中で障害を理解して欲しいと訴える姿と、障害の受容、リハビリテーション とは何かについてを答えて下さった佐藤先生に感動しました。  簡単ですが、私の感想を書かせていただきました。  今回安藤先生が1人事務局でご準備から最後の後片付け、懇親会までセッティング・調整をして下さっ て大変ご苦労なさったと思います。ありがとうございました。私はソーシャルワーカーであり、診療した り、リハビリしたりすることはできませんが、患者さんが地域でより質の高い生活ができるように今後も 支援していきたいと思います。