シンポジスト 田中 正四 (新潟県胎内市;中途視覚障害) 【コメント】 明日の眼科を考える  私達患者が眼科を受診する時大きなアドバルーンを持って受診します。そのアドバルーンは(不安)と (希望)と言う二つのバルーンです。経験のない目の異状に、患者の心はバクバク状態で医師の前に立ちま す。まさに(不安)バルーンは、パンパン状態です。一方、現代医学医療の進歩は目覚しくその情報は新 聞・テレビ・ネットや、人ずて等により患者の耳に届きます。患者はそれらの情報に期待をこめて(希望) をふくらませるのです。しかし、現実に患者が受診後かかげたバルーンはどの様に変化するでしょうか。 (不安)バルーンは、より大きくなっていませんか。(希望)バルーンは小さくしぼんでいませんか。  2002年以来、私が眼科受診により体験した(不安)や(希望)バルーンのエピソードについてお話した いと思います。  一方、患者としての体験から今後の医療に望む事柄をのべさせていただきたいと思います。一つには、 原因と現象、その対策についてより明確で判りやすい説明が必要ではないでしょうか。二つ目は、医師と 訓練士を始め各種団体を把握した訓練計画の早期提案です。患者を取り巻く環境は人により色々ですが、 それらを考慮し、自立に向けた指導ができればと考えます。  私は、この7年間で多くの体験をいたしました。今回は、私を(なにくそ)バルーンをかかげるまでのエ ピソードを含めお話させていただきます。 【略歴】     1952年 新潟県越路町(現長岡市)生まれ  1968年 日立製作所入所  1974年 移転により中条町(現胎内市)に転居  2002年 右目緑内障発症  2003年 慢性腎臓疾患により人工透析開始  2004年 左目多発性後極部網膜色素上皮症・網膜中心静脈閉塞症発症  2006年 樺条エンジニアリング退職        現在視覚障害一級・腎機能障害一級